この街にも雪は降る、君は知らないだろう?



夜のキャンパスを散歩したり海まで行って日の出を見る友達がほしい、けどいない。

2、3年前の私ならここでかなり悲しくなって、「孤独だ…大学生活って孤独だ」と泣いてたはずだけど今の私は違う、「友達作りをしなかったのは自分の責任だし、夜のキャンパスなら1人で行けるのでは??」って考えて行ってみた。少し寒いけどお腹は空いていないからコンビニに寄ったけど何も買わなかった。本当に、ただの散歩。


22時を過ぎる頃のキャンパスは、案外人がいた。体育館前、サークル棟、正門前、街灯の下のガラス窓、駐輪場、と各所から笑い声が響いてきた。あぁみんな、大学生活が永遠だと思ってるんだなぁ、それが永遠じゃないと気づく頃にはリクスー着て「シューカツ…ゼミ…ソツロン…」って呪文のように唱え出すんだよね、わかる。出来ることならこの若さのままでいたい。大学を卒業して私がどうなるかなんて考えたくもない。


眠りについて終わらせてしまうのが惜しい夜を、みんなキャンパスでやり過ごしているんだな、と思った。私はこうして日記を書きながら1人の夜をやり過ごす。




そういえば後輩バンドマンのライブに行ってきた。私が目をつけていた天才的センスの17歳と対バンをしていた。〇〇っぽいバンドだねと形容しがたい後輩のバンドは、どのコピーをしても「それはお前の歌か?」と周りから言われるらしい、天才だ。何にもはまらない彼ら4人は、私がいくら追っかけたって雲を掴むかのようにひょいひょいと逃げていくんだろうな。だから追っかける気にはならない。



この街にも雪は降る、君は知らないだろう?

という変哲も無い言葉に音が重なると、私がとても好きな歌のサビになる。音が乗るだけでぐっと痺れるフレーズになる。それってかっこいい。 

夜のキャンパスは思ったより普通で、だけどいつもより奥行きを感じた。




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