セブンの唐揚げ棒じゃ満たされなかった気持ち


なにが楽しくて夜に1人で唐揚げ棒を食べているんだ、しかもこの年の瀬に



12/29、色んなことがあった

昼間のバイトの時、“皇后杯の応援するよ!”と言われて女子サッカーのテレビ観戦をした。丸々90分。聞いたところによると、あるチームのスタメン選手が私のバイト先と昔っから交流があって、年に一度は顔を出してくださるらしい。その人から直接“今日の試合頑張ります”とメールが届いたみたいで、その話を聞いて急ではあったけど心からそのチームを応援した。赤いユニホームに爽やかな短髪、優しげな顔立ち、その方のシュートが勝利の決定打になった、かっこよかった。

社員のおばちゃんと観戦しながら、おばちゃんの身の上話をきいた。重たい病気で命が終わりかけたけどそれが嘘のようにパワフルに復活して、国内外問わずものすごい回数旅行しているらしい。北海道22回に海外50回って言ってた。何人分の人生を生きてるんだ…と思った。楽しそうな大人だなぁとも。



そのバイトが終わってディナーのバイトに移動する時に見たスマホの通知で、高校の先生の訃報を知った。


え、嘘でしょ?まだ若いのに?お子さんも小さいのに??あんなに元気な先生なのに??

数学の先生だった。テニス部の顧問だった。土日の部活にはたまにお子さんを連れてきていた。そして、高1の頃の私の担任の先生だ。

その知らせとお焼香の連絡で高3のクラスラインが動いていた。2年くらい動かなかったそのラインが、こんなことで動いているのが悲しい。

ば先に着いてもまだ全く信じられなくて、いつもは何も考えずとも着られるお着物が全然着れなかった。お端折りも帯もぐちゃぐちゃで、何度もやり直した


きっと先生本人も、“まだやり残したことあるのに…”と思ってるんだろうな、あの先生のことだから“え!あれ!…うそ!?”と自分でびっくりしてるんだろうな。

お焼香には生徒が殺到したらしい。今教わってる生徒も卒業生もたくさん来たらしい。それ程に慕われていたんだな、あの先生らしいな。私は今帰省していないことを心から悔やむ。お別れ言いたかった、先生のことまだ信じられないから会場にいって否応無しに事実を実感したかった

これは最近気づいたことなんだけど、人は簡単に死ぬ。しかも突然。じゃあ何の為に未来を夢見るんだろうね。





今日はバイト先も仕事納めだからお店が激混みで、何とか着替えたあと賄いをささっと食べてたら“いいから早く来て!”と怒られて賄いを全部捨てた。1日まともに食べてなかったからほんとうに空腹だった。それにいつも“食べてからでいいよ”っていってくれるのに…その為に早く出勤したのに…悲しいこと2つ目はこれ。食べ物の恨みは恐ろしいんだからな。 今日の賄いはとんかつとお雑煮だった、食べたかった、空腹のまま美味しそうな料理を運び続けた。


その店は家族経営の小さな和食屋で、じいちゃんばあちゃんとその息子夫婦、数人のバイト生でお店をやっている。昨日出勤したら息子夫婦に“僕たち今年いっぱいで辞めるから、君たち頑張るんだよ”って言われた。昨日って何日だかわかる?12/28だよ、今年ってあと5日しかないんだよ!? こっちもまだ信じられないままだった。

若女将にはいつもいつもお世話になりっぱなしで、女将さんに怒られた時も励ましてくれて、お着物の着方もゼロから教えてくれて、お母さんみたいな存在だった。昨日も、私の崩れたお着物を直しながら“あなたこの先やっていけるの〜?”って笑ってくれた。

今日の出勤でその若女将も最後だから、先生の知らせで頭が真っ白だけど、お腹もぺこぺこだけど、少しでも安心して辞めていけるように私なりに頑張って接客をした。少し手が空いた時はずっと、若女将が常連さんと話す姿を目に焼き付ける為にそっちばっかり見るようにした。まだ信じられない。突然辞められても信じられないだろうけど、予告を受けても私の気持ちはついていけない。私が大学卒業するまで若女将とは一緒に働くんだと、それが当たり前だと思ってた。

途中何回か色々堪えられなくなって、誰もいないところで泣いた。“自分を殺して働く”ってこういうことなのかなって思った。心は100悲しいけど、店の人やお客さんにはバレないように今年一番頑張った。  最後若女将に挨拶をする時にちょっとだけ泣いた。



最近ニュースで芸能人の訃報を聞くたびに“知ってる人の訃報が増えたな”と思う。小さい頃は誰これ?と思う回数が多かったけど、あぁあの人が、今度はこの人が、って感じるようになった。大人になるイコール死が近づくってことか。 人の死ってどうしてここまでショックなんだろう。私でここまで落ち込んでるなら、今教わる生徒さんや先生の家族のショックはどれほどなんだろう。そもそも死ってなんなんだよ。文明が始まって2000年経つのになんで人は死から解放されないんだよ。先生、お別れを言えなくてごめんなさい。私が高校時代楽しかったと思える理由の一つに、先生がいます。




一人暮らしの寂しさを久し振りに感じながら寝る