梅雨入りにカンパーイ!と言ってたマダム達へ




金曜にホールのバイトに入った時、18時から予約をしてくれていたマダム3人組にビールを持っていくと「じゃあ、梅雨入りにカンパーイ!」ってニコニコとマダム会を始めて、(梅雨入りしたのかな…?)なんて思った。後から確認したらちょうどその日に梅雨が始まったようだった。季節の移り変わりを感じる日本人って素敵だよなぁ。マダム達へ、梅雨入りとその素敵さに気づかせてくれてありがとう。



私はどうしてもこの時期になると思い出す人がいる。正確には、6月6日が近づくと、小1のその日に交通事故で亡くなった友達のことを思い出す。今年もこの日が来たね、私はもう23になるよって。あの日のことはよく覚えているようで実はピントがぼやけた感じ。

今でも覚えてるあの日は部分部分の記憶だけど、いつも一緒に登校するのにその日だけ私は他の子と合流して登校したこと、つまり事故現場を見ていないこと、午前の休み時間に友達から「〇〇くん、しんだ」って言われて(この子は嘘つきだから、きっと骨折でもしたんだろうな)としか考えなかったこと、昼休みに全校で黙祷しても信じられなかったこと、親が夜にお通夜に行ったこと、その頃アニメでやってた釣りバカ日誌のエンディング、それを見ながらお通夜の様子を聞いたこと、そんなもん。

思い出すあの子の顔は遺影の顔そのもので他の表情は思い出せない、声も名前の漢字がどうだったかももうわからない。あの子が乗っていた自転車が緑色だったことは覚えている。私が前に住んでた街から引っ越してきて初めてできたお友達だった。ものすごい速さの自転車でよく近所を駆け回っていた。たった半年くらいしか友達でいれなかったけど、今もこうして思い出すんだからこの先一生思い出すんだろうな、6月6日が来る度に。

その子の10周忌の日、いてもたってもいられなくてその子の家に夜押しかけた。おばさんとお姉さんは「あら、覚えててくれたのね」とアポ無しの私を笑顔で向かい入れてくれた。私を見て「〇〇も生きてたら高校生か…」と目を細めて声を震わすおばさんに申し訳なくて、あれからおうちは訪ねられない。

私はもう23になるよ、もう生まれ変わってどこかで元気にしてますか?実はどこかですれ違っていたりしてね。あの日雨の予報じゃなかったら、君が傘を持たずに登校していたら、今でも友達だったのかなぁなんてたまに考えちゃうよ、道中傘で遊ばなかったらこんな事にはならなかったと聞いたから。結局あの日は1ミリも雨は降らなかった。神様はやんちゃでかわいいあの子を自分のそばに連れて行きたくなったのかな。

今年も6月5日の勉強中にふとあの子のことを思い出した。あ〜明日かって。来年もきっと思い出す。

こんな風に日記のネタにしてごめんね。





恋愛体質の友達がたまに憎くなる。大学で唯一の存在なのに憎くなる。今度の彼氏は相席屋で出会った人らしい。ツーショット見せてもらったけど、吹いたら飛んでいくタイプの軽そうな男だった。 あの子の恋愛パターンがこの一年でよくわかった。愛が重すぎる故にすぐ振られてリスカして、前の男に対してボロクソ言って次の男にすぐ溺れる。「こんな人他にいない、素敵な人なの」ってセリフをもう3人分は聞いた。

好きな友達だから表立って何か言うことはないけど、学びなよって少し思う。いや、恋愛経験がその子よりずっと少ない私が言っちゃいけないか。その子を憎く感じてしまうのは、その子がいつも本気で人を好きになって本気でボロクソ言って、を繰り返しているから。そんなのシンプルに素敵じゃん。私には彼女の真似はできない。少し羨ましい。

私は静かに、穏やかに、ささやかに暮らしたい。その波長が合う人と恋をしたい。





梅雨入りに乾杯してたマダム達はどんなこと考えるのかなぁ。もう二度と会えない人のこと、羨ましくて憎い友達のこと、考える瞬間はあるのかなぁ。