大学から歩いて帰った




1年前、健康づくりも兼ねて歩いて通学するのにハマっていた。自転車で家から大学まで五分もかからない道を歩いた。変に几帳面な私は歩いた日はそれを日記に記録していた。読み返すわけでもないのに。

でもそんなのは1ヶ月も続かず、実習が始まる頃には自転車を飛ばしてチャイムギリギリに教室に入るいつもの私に戻っていた。

こうして自分の中にブームがあることが嬉しい。私の歴史を築いているんだなって後から思えるから。ちなみに今は、お金をかけてQOLをあげることにハマっている。ドライヤー、ベッドのシーツ、いつもの3倍以上するボディソープ、とか色々買ってるしまだまだ欲しいものがある。



閉館間近の図書館から出ると、生ぬるくて水分を含んだような風がさわさわ吹いてきた。昨日までは星が見えたのに空全体が雲に覆われていた。明日は朝から雨の予報だ。自転車で通り過ぎる数人組、イヤホンして結構大きな声で歌いながら歩いている人、ラーメン屋からの賑やかな声とチャーシューの匂い、居酒屋の前に雑に並んだたくさんの自転車、“メロンソーダってうまいよな”って話をしながらコンビニ前にたむろする人たち。みんなみーんな大学生してるなぁって感じだった。


帰り道に通る公園には桜の木とツツジの低木とたくさんのイチョウの木がある。もうこの公園に咲く桜は来年は見ることができないけど、入り口にあるあの大きな木が桜の木だということ、それが4月の頭に満開になることはずっと覚えていようと思った。



私は女々しくて情けないから、まだ別れた人のことを忘れられない。手帳の3月のページをふと開いて、あ〜そろそろ2ヶ月経つのか、って思った。あの時私が分かれる決断をしなかったら、今頃どうしてたんだろう。誕生日をお祝いしてGWにも会って、お互い勉強がんばろうって励ましあっていたのかなぁ。喧嘩もせず仲良くしていたのかなぁ。そこまで考えて、最高に情けないタラレバ!!あぁ私ってやつは!!と反省した。

男の穴は男で埋める友達のようになれたらよかったのに。


向こうは私と別れて煙草を吸い始めたらしいけど、私はあの頃よりますます音楽が好きになった。私が知らない音楽がこの世界にはたくさんある。ちょっと足を伸ばしてお金を出せば、生でそれを聴いて幸せな気持ちになることが出来る。楽しい。これを糧に生きていきたい。そんな風にそれぞれが自己実現できる世界になればいい。みんながみんな好きなこと追いかけて生きていければいいのにこの世界は難しいことが多すぎる。

そんな中を懸命に生きてる私たちって頑張り屋さんだなと思う。