今年は鯉のぼりを1つも見ていない




ライブ友達のお兄さんをライブに誘い出した、ラインの返信がまちまちだから“乗り気じゃないのかな…ごめんなさい…ひいぃ”って思ってたけど会ったらいつも通り気さくで、やっぱりめちゃくちゃいい人だった。本屋で食のエッセイ本を巡ったり4時から大衆酒場で乾杯したり、そこでどん底だった4月を慰めてもらったりしてライブに行った。向こうはハイネケーーーン、私はシャンディガフで乾杯し直して、気の合うもの同士ライブ楽しんで、推しバンドのアルバムを買ってるんるんな私を微笑ましく見守ってくれた。ちなみに推しと話せて本当にたまらない気持ちになった。ファンサービスがすごい。生きてて良かった!! 推しは推せる時に推す!!!


ライブ後はいつも通りコテコテのラーメンを食べて、なんの下心もなく“うち泊まっていきな?”って言ってくれたからついて行った。コンビニで歯ブラシと化粧落としを買う私も、初めての街に降り立って苗字も知らないお兄さんちに行く私も、ひと月前は1ミリも想像してなかった。新しい自分になれた気がした。

大人ってこんなに格好いいんだ、、、と思った。広いマンション、無印の家具で整った部屋、数本のギターとアンプ、曲作り用のよくわからない機材、いろんな本、ふかふかのシングルベッド、高いシャンプーリンスと歯磨き粉、お仕事の資料、全部ぜーんぶ目新しくって色々突っ込む私に付き合ってくれて3時半まで二人で話した。私の無計画のせいで急にお家にお邪魔したのに、楽しい楽しいって言ってくれてありがとう。都会の大人、カッコいい、、、と思ったし、地方の大人を見て育った私には本当に未知の世界、別世界にきたように感じた。

地方で安定した職を目指している私に、ていうかそれ以外の生き方に触れてこなかった私に“仕事はひとつじゃないし生き方もひとつじゃないんだよ。君の地元の17時は、みんなが帰り支度をして車に乗りだす頃だろうけど、こっちにはいろんな17時があってさ。渋谷の17時、舞浜の17時、皇居の17時。仕事を終える人、これから仕事に向かう人、愛する家庭に帰る人、寂しい夜を紛らわす人。歌が上手い人にはファンが集うし、17時から新しい世界を知る人だっているんだ。そういうのを知ってみるもの面白いと思うよ”って、言ってくれた。 

私はまだ何も世界を知らないし、そういう風に言われると本当に揺れる。進路を決めるのってなんて難しいんだ。


都会には鯉のぼりなんていなかった。ふかふかのベッドに二人で寝た。 



3年付き合った人は同い年で、家も綺麗とは言えなかった。だから本当に何もかもが新鮮で、世界って広いんだなと思わざるを得ない。そして、別れてひと月くらいで他の人とこんな風に過ごすなんて、と自分が一番驚いている。

1ヶ月前なんてどん底どん底、このブログを見返すとちょうど“死にたい”なんて書いていたのに人間って不思議だなぁ。


その日のライブで推しと対バンしていたバンドがマイヘアとバックナンバーを足して2で割ったような失恋ソングバンドだったんだけど、聴きながら“私もこんなに悲しかったっけ…?”って思うくらいには吹っ切れていた。

あと私がストーリーに4時から飲んでる旨を載せた時、別れた人はどこかのベンチで雨宿りしているのを載せていて、あぁこの人とはもうきっと人生が交わることは無いんだろうな…と思った。

通過点だったのだな、イニシエーション・ラブ





時間をかけて満ちたのに ゆっくりと欠けていく

僕ら二人 月のようだった

って好きな歌にある通りだった。ゆっくりと欠けていくのを今ひしひしと感じている。